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今回はRadial JDI mk 3を取り上げようと思います。

マイクなどと比べるといまいちマイナーな機材かも知れません。「インピーダンス変換機」というと乱暴ですが、そういった認識の方もいらっしゃるかと思います。

録音では僕はBassは必ずLineは録音しておくのですが最近はInst inを搭載したHAやchannel stripが多くありますので、なかなかDIも使用しなくなりました。
しかしSRの現場では依然としてBassのLineやA.gt,Key/synなどは必ずDIを使用します。

我々はBOSSのDI-1を使用することが多いですね。

そんな中にJensen トランスを採用したパッシブDIの入荷です。パッシブDIの原理は非常に単純で、トランスがあれば簡単に作成することが出来ます。トランスが心臓部ですね。逆にいうと質の悪いトランスを使うと音はひどいことになります。
Jensenトランスは非常に有名ですね。マリンエアーのトランスを使用したDIとかあれば使ってみたいですね。

さて話がずれましたが、このJDI mk3、我々の使い慣れたDI BOSS DI-1と比較検証(?)してみました。
ぱっと聞いた感じの印象ですが、いたって普通です。そもそも音を(電気信号を)正確に変換するように作られていますから当たり前です。

ではなでわざわざProduct Reviewで取り上げたのか...それはこの音が非常に音楽的だからです。当店スタッフの徳次郎と一緒にチェックしたのですが始めは2人とも「ふーん...」てな感じでした。でDI-1と切替ながら比較したのですがこのときのエピソードが非常に笑えます。
始めはBaで確認していきました。
そのときは...

T:「なんかあんまり違いないんじゃない?」
D:「派手にあっても困るよね。DIだし」
T:「それはソウだけど価格差考えたらさあ」
D:「それはあるよね


なんてな感じで、費用対効果を考えるとなぁ、と言う印象。(T=僕,D=徳次郎)

しかし我々2人ともBassistではないのでベースの音に対して、Bassistほどこだわりがないのです。完全にEngineerとしての判断でした。
で次にGtを接続して確認です。徳次郎がGuitaristなので今度は彼に演奏してもらって、僕がチャンネルを切り替えました。

T:「やっぱあんまり変わんないよ」
D:「あ、そう??ギタリストの立場から言わせてもらえば全然JDIの方がよいよ。ナンだろしっくりくる」
T:「へー。そんなもんか?」


今度はkeyをつないでチェックしました。今度は僕の出番です。

D:「あんまり変わんないんじゃないの??」
T:「そうか?だいぶ違うぜ。キーボーディストの立場から言わせれば断然JDIでしょ!音が非常に音楽的!!」
D:「ふーん。そんなもんかね?」


などと漫才みたいなことをやってました。

総合して言えるのは自分の出す音にどこまでこだわるか、コレに尽きるのかなとも思います。最初は皆さんアンプやキャビにこだわっていきます。でもLiveで我々が扱う音はDIの音も含まれてきます。Bassもですし、シンセにいたっては100%DI経由のことが多いですね。
その中で、いかに自分のイメージどおりの音を追及するか、こだわるか、責任を持つかみたいな部分で重要になってくるアイテムのひとつがこういった音の良いDIなのかな、という印象です。
機会があれば是非試してみて下さい。

商品ページ
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今回はdbxの1066です。



コレはデュアルモノラル/ステレオのGate/Expander+Compressor+Limiterです。

この機種は結構僕のお気に入りの機種で、商品ページの記事で「当店engineerが...」と言う記事がありますが、このEngineerとは僕のことです。
実際、ガシッとかかるこの機種は非常に「Sound Rock!!!」です。

Gate/ExpanderのコントロールはThreshold+Ratioです。僕はほとんどGate/Expanderを使わないので、特に印象がありませんが、とりあえず、音がなくなります(笑)。

僕の好みなのはコンプレッサー部です。コントロールはThreshold,Ratio,Attack,Release,Outputで、特筆すべきことはないです。

この機種の特徴はAttackとReleaseの単位が[dB/sec]になってることでしょうか。
ほとんどの機種は[sec]または[msec]のみですから最初は違和感がありました。
しかし慣れてくると、非常に理にかなっている設計で、パーカッシブな音に対しても自然な感じです。
Releaseも同様の設定でロングサステインモノもきれいにまとめてくれます。
慣れるまでは大変かもしれませんが....

ただ前述の通りかなりガッツのある感じにかかるのでジャンルを選ぶかもしれません。間違いなくRockには向きますが、JazzのVocalやソウルなどにはovereasy(=soft knee)をうまく設定しないと不自然な感じになるかもしれません。

PA/SRでよく使用するのですが、totalにかけても、チャンネルにインサートしても非常に使える機材です。


今回のレビューはSSLのアルファチャンネルを取り上げましょう。

SSL alpha channel

スタジオラージフォーマットコンソールの帝王SSLから出ている製品の中でもっともリーズナブルなモデルですね。もっともリーズナブルといっても約20万円、ポンと変える人は少ないでしょう。もしいたら是非友達になりたいですねf(^_^;)。

冗談はさておき、製品を見ていきましょう。
ちょっと裏話をすると数年前にSSLの経営者が変わりました。聞いたことのある人もいるかもしれません。ミュージシャンのピーターガブリエル氏がSSLの経営に参加しました。
その際に指令が出たそうです。その内容は「時代は変わった。SSLも変わらないとだめだ。しかしその変化は今までのSSLの財産を生かしたものでないといけない。SSLのサウンドをエンジニアに頼ることなく、もっと広くの人に届けるように。」といったものでした。

その指令に感動したSSLスタッフは新たな製品の開発に着手し、そんな製品のひとつがAlpha channelなのです(他にはDuendoなどがあります)。

SSLは確かに高嶺の花といった部分がありました。それはNeveやFocusriteも同じかもしれません。しかしNeveやFocusriteなどがラックモジュールを比較的安価(とってもせいぜい50万を切るくらい)で出していたにもかかわらず、SSLはそういった製品が出たのはここ最近で、昔、Logicシリーズ(XLogicシリーズの全身)があったのですが、これまた100万を超える製品ばかり、ノックダウンなどもあったのですが、やはり"Solid State Logic"の名前はエンジニアの憧れであったのです。

そんな中、Xlogicシリーズが発売になり、昨年このAlpha Channelは発売になりました。当店でもエンジニアスタッフが「SSLが20万で!!!!???」とかなり話題になりました。

フロントパネルですが、Xlogicのほかのシリーズを連想すると非常にシンプルといえるでしょう。エンジニアでない人間が操作しやすいように考慮されています。
つまみは全部で10個(!!)つまみがいっぱいのスタジオコンソールメーカーのチャンネルストリップとは思えません。
左から見ていくと、まずマイクプリアンプとしての機能である+48VやPAD,位相反転などのスイッチがあります。そして、Gainつまみです。その隣のつまみは[Variable Harmonic Drive](=VHD)という高次倍音を付加するつまみです。
更に右に行くとEQセクションです3バンドのパラメトリックEQそして、アウトプットボリュームです。
最終段にはコンプレッサー(というよりはリミッター)もあります。

デモ機をミックスで試す機会があったのでその様子をレポートしていきましょう。
まず声にインサートしてみました。VHDを回してみたのですが、そんなに劇的に音が変わるわけではありません。ドライブとあるのでいわゆる「歪み」を連想したのですが、全然そんな音は得られません。EQでVocalの高域と中高域をちょっとブーストしてみました。
いや、EQ効くわ効くわ!!声が前に出てくる出てくる!!
オーバーEQにならないように他とのバランスをとりながら、他の作業に移ります。
いろいろやっているうちにKickにもインサートしたくなったので、ボーカルトラックのインサートリターンを録音し、パッチングを変更します。
Kickにインサートした瞬間、同じくkick前に出てくる出てくる!!
すべてのチャンネルにインサートしたくなります。世界中のエンジニアがリコール性などを犠牲にして、SSLで作業しているのが理解できます(といってもかなりの精度でリコールできますが)。

VHDをいろいろ回すと、微妙に前に出てくる感じが異なります。なるほど高次倍音をいじっているのだな、と実感することが出来ます。

この価格でSSLのサウンドが製作環境に手に入ると思うとかなりお買い得感があります。
アルファチャンネルを「SSLだけど安いしそれなりの製品でしょ?」と思っている人がいたら大間違いです。
「安いけどSSL」なのです。




今日のPick up Productはapiのステレオコンプレッサー2500です。



コレはRecording用大型Console(いわゆるLarge-Format Console)のマスターセクションに埋め込まれているトータルコンプレッサーをラックマウントしたものです。

Recording用大型コンソールといえばNeve/SSLもそうですが、やはりマスターセクションにはトータルコンプレッサーが埋め込まれています。ラックマウント製品という観点だと、SSLだとXlogic G series Compressorが発売されましたし、Neveもバージョンを微妙に変えつつ、現在33609/Jとして発売されています。

apiは米国西海岸にある会社です。英国の製品の音がいわゆる"ブリティッシュサウンド"(NeveやJoemeekなどが代表的でしょう)と称されるのに対し、apiはその親会社ATIなどと並び、"アメリカンサウンド"の代表的な機種として有名です。

前置きが長くなりましたがパネルを見てみましょう。

1Uサイズにapi伝統のノブが並びます。
左から、
[Compressor section]
Threshold/Attack/Ratio/Release/Release(variable)
[Tone section]
Knee/Thrust/Type
[Link Section]
L/R Link/Shape
[Output section]
In/Byp/Gain/Gain
となっています。

compressorの部分は特に目新しいことはありません。変わっていることといえばクリック式で、7段階からしかパラメータが選べないといった程度でしょうか(Threshold/Release(variable)を除く)。
この2500最大のポイントの一つはTone sectionではないかと思います。この3つのボタンの組み合わせにより、UA 1176,Fiarchild 660などいわゆる"Vintage Comp"の作動原理から、dbxやSSL等の比較的新しい作動原理を切り替えることが出来ます。
回路が共通なのでコレを切替ることにより音質自体は、変化しないのですが、かかり方が大きく変化します。
1台で様々なコンプを手に入れたようでとてもお得です。

とても乱暴に、しかしrockでloudな音にもできますし、さっぱりとよく出来たデジタルコンプのような感じにも出来ます。

Recording/Mixは、やはりPro Toolsで行うことがほとんどですが、僕個人はアナログアウトボードを使用した音作りが得意かつ好きですね。
デジタルが嫌いなわけではありませんし、その恩恵もよく解りますが、アナログの良さもやはり捨てきれないですね。

たまに「デジタル派?アナログ派?」と尋ねられますが(見た目の印象はデジタル派のようです。f^_^)僕はむしろ「おいしいとこ取り派」ですね(苦笑)。
そんな僕にとって、2500はいじればいじるほど、その引き出しの多さに驚愕する、すばらしいコンプレッサーです。
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