昨年の夏前以来でしょうか。毎年来てくださっている印象があります。滴草 由実さんのインストアライブです。天気もよくやる気満々で現場に入り、セットアップです。今回はGtの奥山さんもご一緒ということで、さらにテンションが上ります。いつも感じでFoHにElectro-Voice Sx300セットし、今回はモニターも2系統用意です。今回はVocalにTELEFUNKEN M80を使用してみました、というのは滴草さんの声とマッチするだろうなーと(勝手に)思ったからです。
M80の音質傾向などはProduct Reviewをご覧いただくとして、Live Report(?)を続けましょう。M80はGainもさほどSHURE SM58と変わらないので同じようにGainをとってハウリングカットです。(当たり前ですが)いつもと違った音がモニターから聞こえてきます。意外とすんなりとEQは決まり、奥山さんのギターに移ります。今回はリクエストでLiveに加えてマイクでも広って欲しいとのことでしたのでSHURE SM57を追加しました。ホントはAKGのC451とかが良かったのですが、現地入りしてからリクエストを聞いたので...。
最初に奥山さんとGtの音、及びモニターを確認してもらいました。
奥山さんはGtのLine用にL.R.Baggs Para Acoustic D.I.を持ち込まれていました。今回はBOSS DI-1は出番なしです。
ギターはBaden Guitarです。綺麗な高域とナイスな中域のコシを持つギターでした。音作りの時に「Martin系の音とGibson系の音どちらが好きですか?」と伺ったら笑顔で「Martinです!」と即答してくださいました。
そうこうしているうちに滴草さんご本人登場(相変わらず美人です!)。前回いらしたときはオペできなかったのですが、4回程オペを担当させてもらっているので「あー!!どうもー!」素敵な笑顔と元気な第一声。「よろしくお願いします!」と挨拶し、一曲目からすこしずつリハ スタートです。ktrも書いていましたがつくばクレオスクエアQ'tでのリハはモニターバランスに結構終止することが多いのですが、スタッフの方と相談しながら、客席のバランスも決めていきます。
今回はGtもMicとLineがあるのでそのバランスも決めていきます。
滴草さんのCDは何枚か持っているのですが、客席のバランスをちょこっと聞きに行くとCDとの若干の違和感が。もう少しVocalを抑えた方がよいなぁと感じたのでスタッフに確認してみました。
ただそうすると、Vocalが埋もれてしまう部分が出てくる可能性もあります。Compressorを利用すればそれもある程度回避できるのですが、正直あまり使用したくありません。音圧もの、というジャンルではないからです。そうなるとあとはリアルタイムでFaderを動かすしか無いですね。
スタッフさんに確認です。
「さっきの感じだとチョットVocal大きくないですか?もう少し抑えた方がCDに近い感じになるとおもうんですが...」
「そうですね。お願いします。」
とのこと。
Vocal Faderをリアルタイムでコントロールすることになりました。
まずはCDオケ+Gt+滴草さんです。
程よくギターを出しつつ、オケに埋もれないように、かつ分離しないように滴草さんの声とのバランスをコントロールしていきます。
さて2曲目 アコースティックセットです。ギターと声だけなのでよりシビアです。またどうしても全体の音量が下がります。無理やり上げるのも違和感満載ですので少し補ってあげる、的なBoostにとどめます。ただ、この時にAgtの音がややブーミーに聞こえます。リハでスタッフの方とある程度対処したのですが、詰め切れていなかったようです(汗)。
ハウっているわけではなく、サステインが長いのでそう聞こえたようです。とはいえ、110Hzあたりが飛び出て聞こえます。EQでジワーと対処します。
1stセットはCDオケとアコースティックが交互でした。ということは4曲目にもアコースティックセットがきます(汗)。
ギターをマイクとラインにしておいたおかげで、4曲目はマイクの回線でギターらしさをフルパワーでだし、ラインをうっすら足す、という普通のバランスとは逆のアプローチをとることができました。ハウリングが起きないかドキドキでしたけど。
客席の音も問題なく、むしろ良かったとのこと。
代表曲から配信限定「カタチあるもの」まで聞くことができました。
サイン会、握手会を無事おえ、15:00から2nd setです。今回はアコースティックがやや多め。さっきのかんじで、と思っていたら風が強くなってきました。マイクに「ゴー」という音が入ってしまいます。
どうしようかとスタッフのかたと相談し、Line1本で行くことにしました。
EQを設定し直し自然なサステインに聴こえるように調整です。アコギもアルペジオをストロークの音量差に気を配りつつ、VocalのバランスRevの感じなどをどんどん操作していきます。1st setと同じ曲もあるのですが、アコースティックVerになっていたりで魅力的なセットです。
さらに予定曲目演奏後アンコールが。カバーを演奏してらっしゃいました。予定時間をチョット超過して(アンコールが有りましたから)2nd Set終了です。
サイン会も列ができており、ファンのかたと笑顔でいろいろ話しておいででした。
サイン会の間、奥山さんや、スタッフのかたと雑談していたのですが、「次回も是非!」とおっしゃっていただきました。こちらからお願いしたいくらいです。
またよろしくお願いします
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Takumi Otani
エンジニア日記