今日のPick up Productはapiのステレオコンプレッサー2500です。

コレはRecording用大型Console(いわゆるLarge-Format Console)のマスターセクションに埋め込まれているトータルコンプレッサーをラックマウントしたものです。
Recording用大型コンソールといえばNeve/SSLもそうですが、やはりマスターセクションにはトータルコンプレッサーが埋め込まれています。ラックマウント製品という観点だと、SSLだとXlogic G series Compressorが発売されましたし、Neveもバージョンを微妙に変えつつ、現在33609/Jとして発売されています。
apiは米国西海岸にある会社です。英国の製品の音がいわゆる"ブリティッシュサウンド"(NeveやJoemeekなどが代表的でしょう)と称されるのに対し、apiはその親会社ATIなどと並び、"アメリカンサウンド"の代表的な機種として有名です。
前置きが長くなりましたがパネルを見てみましょう。
1Uサイズにapi伝統のノブが並びます。
左から、
[Compressor section]
Threshold/Attack/Ratio/Release/Release(variable)
[Tone section]
Knee/Thrust/Type
[Link Section]
L/R Link/Shape
[Output section]
In/Byp/Gain/Gain
となっています。
compressorの部分は特に目新しいことはありません。変わっていることといえばクリック式で、7段階からしかパラメータが選べないといった程度でしょうか(Threshold/Release(variable)を除く)。
この2500最大のポイントの一つはTone sectionではないかと思います。この3つのボタンの組み合わせにより、UA 1176,Fiarchild 660などいわゆる"Vintage Comp"の作動原理から、dbxやSSL等の比較的新しい作動原理を切り替えることが出来ます。
回路が共通なのでコレを切替ることにより音質自体は、変化しないのですが、かかり方が大きく変化します。
1台で様々なコンプを手に入れたようでとてもお得です。
とても乱暴に、しかしrockでloudな音にもできますし、さっぱりとよく出来たデジタルコンプのような感じにも出来ます。
Recording/Mixは、やはりPro Toolsで行うことがほとんどですが、僕個人はアナログアウトボードを使用した音作りが得意かつ好きですね。
デジタルが嫌いなわけではありませんし、その恩恵もよく解りますが、アナログの良さもやはり捨てきれないですね。
たまに「デジタル派?アナログ派?」と尋ねられますが(見た目の印象はデジタル派のようです。f^_^)僕はむしろ「おいしいとこ取り派」ですね(苦笑)。
そんな僕にとって、2500はいじればいじるほど、その引き出しの多さに驚愕する、すばらしいコンプレッサーです。